真性包茎とは

平常なときも勃起したときも、亀頭が包皮に完全に覆われて見えない状態です。包皮の口が亀頭のサイズよりもかなり狭く、ほとんどの場合尿道が見えるサイズしか開いていません。 赤ちゃんの頃はほとんどの人が真性包茎です。身体の成長とともにペニスも成長していく中で、皮が剥けていく人や仮性包茎になる人、カントン包茎になる人もいます。 真性包茎は包茎になっている原因や特徴によって分類できます。

癒着型（ゆちゃくがた）

包皮の内側と亀頭がくっついてしまっているタイプです。通常ならペニスが成長する過程で自然と剥がれていきますが、うまく剥がれないことがあります。また、剥がれていても炎症などで癒着を起こしてしまうこともあります。癒着は成長すればするほど剥がしにくくなるため、早めに治療するのがおすすめです。

絞扼型（こうやくがた）

包皮の先端部分の口が極端に狭く、亀頭が出られないタイプです。口が狭すぎるために、ペニスが成長しても口を広げることができずに真性包茎になります。包皮口を広げる手術と、余った包皮も取り除く手術をします。

ピンホール型

絞扼型よりもさらに包皮口が狭く、排尿できる程度の穴しか開いていないタイプです。包皮口の締め付けを広げる手術と同時に、余った皮も切除して縫い合わせると、より確実に亀頭が露出できます。

混合型

癒着型と絞扼型、ピンホール型などが同時に起こって真性包茎になっているタイプです。原因となるタイプを見極めて、必要な手術方法を選択します。

仮性包茎・カントン包茎との違い

真性包茎とその他の包茎ではどのような違いがあるのかを見ていきましょう。 真性包茎と仮性包茎では以下のような点で違いがあります。 ・真性包茎 癒着や包皮口の狭さなどが原因で皮を剥くことができません。日常生活や性行為に重大な支障が出ることから保険適用で包茎手術することが可能です。 ・仮性包茎 皮が余っていて包皮で亀頭が覆われてしまうものの、自力で剥くことができます。日常生活や性行為に支障はないため保険は適用されません。 上記からも分かるように、仮性包茎は比較的症状が軽い包茎です。日常生活・性行為に支障があり、保険適用で手術できる真性包茎とは大きな違いがあります。 では、真性包茎とカントン包茎にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。 ・真性包茎 包皮口が狭い・癒着などによって皮を剥くことができない状態 ・カントン包茎 包皮口が狭いにも関わらず無理に剥いてしまい、包皮が元に戻らなくなってペニスがうっ血してしまう状態。 カントン包茎とは包皮口が狭いのに皮を剥いてしまい、包皮が元に戻らなくなった状態のことを言います。真性包茎は自力で皮が剥けない状態のペニスであり、両者は明らかに違いがあります。 ただし、真性包茎もカントン包茎もどちらも手術を検討すべき包茎の種類であり、保険も適用されます。また、カントン包茎の場合はペニスのうっ血により亀頭が壊死する可能性もあるため、早期の対処・手術が必要な包茎です。

真性包茎だと何が困るの？

真性包茎は包皮を剥くことができないため衛生的な管理が難しく、性行為でも機能的な障害に直面することがあります。

不衛生

包皮で完全に隠れた亀頭は、むき出しの状態と違って綺麗に洗いにくいです。包皮の中で垢が溜まっていくと細菌が繁殖して臭いを発生させます。このような不潔な環境では、亀頭に痒みや赤みなどのトラブルが生じやすくなります。臭いやトラブルを防ぐには、毎日丁寧に包皮の中を洗うことが必要ですが、手間や時間がかかって面倒と感じることもあるでしょう。

性行為がうまくいかない

包皮をかぶったままだとペニスの成長を妨げてしまうことがあるため、亀頭のサイズが小さく自信が持てないという男性は少なくありません。また、真性包茎で悪臭が発生すると、女性がオーラルセックスや性行為を拒否することもあるでしょう。 とくに性器としての機能面では、包皮が邪魔をして刺激がお互いの性器に伝わりにくいことが問題です。勃起で痛みを伴う場合には性行為に及ぶこと自体が難しいでしょう。

痛みや炎症が起こる

無理に亀頭を出そうとすると、包皮が切れて出血や痛みが出ます。さらに不衛生な環境では亀頭や包皮に炎症が起こり、炎症が慢性化すると皮が硬く狭くなって、真性包茎が悪化してしまいます。

病気のリスクが高まる

真性包茎が原因で尿路感染症から膀胱炎、精巣上体炎などを発症することがあります。いつもの炎症が慢性化して、無精子症や全身性の病気につながる可能性もあるのです。また、陰茎がんが発生する確率も高くなります。

不感症や勃起不全

皮をかぶったままでは亀頭に刺激が伝わりにくいため、射精に時間がかかってしまい勃起障害（ED）の原因につながります。また、亀頭が膣壁にあたらず相手にも刺激が伝わりにくいことで、パートナー同士がお互いに満足できない状態が続くと、性行為そのものがコンプレックスになり、EDを誘発する可能性もあります。

パートナーの病気の原因にもなる

真性包茎は自分の体調だけでなく、相手の女性を病気にする危険性もはらんでいます。真性包茎の場合、包皮の中に細菌や性病となる原因菌が潜んでいることがあります。感染症を持ちながら女性と性行為をすると、相手にも感染し、子宮頸がん（しきゅうけいがん）や不妊になることもあるのです。

真性包茎を自力で治す方法と危険性

包茎を相談することに抵抗を感じている人は多く、包茎を治すために包皮口を広げるグッズを購入して自力で治そうとする人も見かけます。しかし、確実に真性包茎を治したいのであれば手術が一番確実です。 無理に自力で包皮を広げると出血や傷などのトラブルが起こります。包皮が傷つくと皮が硬くなり、さらに包茎が悪化します。もっと怖いのは、亀頭が出てカントン包茎のような状態になった場合です。亀頭の下が縛られた状態になってしまった場合、そのままだとペニスが壊死する可能性があるので回避するための緊急手術が必要となります。 亀頭を大きくできると謳っているサプリもありますが、亀頭増大に対する医学的な根拠が無い場合がほとんどですので、望むほどの効果は得られないでしょう。 手術を怖いと感じる方はいますが、専門知識を有した医師が行うため、自力で治すときのようなトラブルはなく安心して治せます。

真性包茎の主な手術方法

包茎手術にはさまざまな手法があります。具体的にどのような方法があるのか、その中でも真性包茎で行われる手術はどのようなものなのかをご確認ください。

切らない包茎手術

軽度の仮性包茎であれば切らずに包茎を改善することも可能です。たとえば以下のような方法があります。参考としてご覧ください。 ・包皮の癖付け 余っている包皮にシワを作り、医療用ボンドまたは糸を用いて固定します。さらにペニスの根元に皮を寄せることで包茎を改善する方法です。 ・長茎術 長茎術とは体内に埋もれている陰茎を体外に引き出して長く見せる方法です。陰茎が長く見えるようになれば包皮の余り具合が目立たなくなり、包茎状態も改善されやすくなります。 ・亀頭増大術 亀頭増大術とは亀頭にヒアルロン酸を注入して増大させる方法です。亀頭が大きくなることで余った包皮がカリに引っかかり、剥けた状態をキープしやすくなります。勃起時はもちろん、通常時も剥けた状態を維持しやすくなるため軽度の包茎改善に適しています。 このように、軽度の仮性包茎であれば切らずに包茎を改善することも可能です。ただしこれらは、包皮の余りという包茎の根本原因を取り除いたわけではありません。そのため、癖がなくなってしまい包皮が戻る、増大した亀頭が戻ることで再び包茎になることがあります。 根本から包茎を改善したい、真性包茎である場合は切る包茎手術がおすすめです。

環状切開術

環状切開術とは、余っている包皮を環状に切除して残った包皮を縫い合わせるものです。包茎手術の基本となるものでシンプルな工程ながら真性包茎など重度な包茎にも適用できる方法となります。手術自体は難しいものではないため一般的な泌尿器科でも行われ、保険適用の手術でも用いられる切開術です。 環状切開術は基本となる切開術ですが、工程がシンプルであるだけに術後の仕上がりは執刀する医師の力量が問われます。知識・経験の浅い医師が行うと傷跡やツートンカラーが目立ってしまったり、包皮の突っ張りが出たり、切除したのに包皮が余ったりといった問題が発生する可能性が高くなります。 このような問題を発生させないためには精密な診査・診断がとても大切です。皮の余り具合をミリ単位で計測した上で手術痕が目立たないようにする立体的なデザインを事前に行った上で手術経験豊富な医師が執刀すれば仕上がりも良くなります。

その他の手術法

上記以外にも包茎手術法にはさまざまなものがあります。 ・亀頭直下埋没法 環状切開術の一種で仕上がりにこだわった手術法です。亀頭の真下にて環状切開を行って縫合します。切除部分を亀頭で隠すことができ、傷跡が目立ちにくくなります。 ・陰茎根部切開法（バックカット法） 環状切開術の一種で手術痕が陰毛で目立ちにくくなる手術法です。ペニスの根元の包皮を環状切開して縫合します。 ただし、真性包茎では適用できません。 ・背面切開法 包皮を切除するのではなく、狭い包皮口を広げるために縦に切開する方法です。皮を残す方法で将来的にペニスが成長した際にも順応することができ、子供の包茎治療で行われることがあります。

真性包茎手術の流れ

まずはカウンセリング

カウンセリングでは要望を聞きながら実際の包茎の状態を医師が診察し、適切な方法を一緒に選んでいきます。医師やカウンセラーが悩みなどの話を聞いてくれるので徐々に自分が受けたい包茎手術の理想が見えてきます。所要時間は30～60分程度です。無料か有料かはクリニックによって違いますがほとんどのクリニックがホームページで確認できます。

手術前のデザイン

デザインでは、真性包茎の手術の方法に合わせて切除する範囲にマークをつけていきます。デザインは手術の仕上がりを左右する大切な工程です。 包茎手術では、包皮を切りすぎると勃起したときに皮が突っ張って、性行為で痛みが出ます。逆に切る範囲が少なすぎると、包皮を再びかぶってしまい手術した意味を感じられなくなってしまいます。 デザインでは、ペニスが勃起したときと平常のときの長さや太さの変化を考慮します。手術の経験が豊富な医師は、より繊細なデザインや工夫された技法が可能です。

痛みに対する麻酔処置

手術当日は局所麻酔を行います。局所麻酔の際にペニスに針を刺すのが心配な方もいますが、ジェルやテープなどで事前に麻酔しておくことも可能です。クリニックによって麻酔の種類や使い方は異なるので、相談して決めていきます。

手術で切除・縫合

手術にかかる時間は1時間程度で、日帰り治療です。デザインに沿って、皮の締め付けが強い部分を切り取っていきます。癒着型の真性包茎では、亀頭と包皮を優しく剥がす作業も必要です。皮膚のすぐ下には血管があり、傷つけないように切除します。 縫い合わせには抜糸が必要なナイロン糸と、体に吸収される糸のどちらかを使用します。皮膚を縫い合わせた後に、ねじれやズレがないように丁寧に美しく仕上げていきます。ナイロン糸で縫合した後は抜糸が必要ですが、吸収糸なら糸が溶けてなくなるのを待つだけです。

手術当日は包帯で固定

抗生剤の薬を塗ったら、止血も含めて包帯で圧迫固定します。腫れも抑える効果があり、翌日まで外さずに固定します。毎日自宅で消毒や包帯を交換するための医療材料を持ち帰ります。通院するタイミングや消毒方法、包帯の巻き方などの説明がありますので、分からないことは質問しましょう。

自宅で手術後の消毒

包茎手術では、手術後の生活によっては腫れや出血がみられます。手術後の経過に不安があればクリニックへ相談しましょう。手術後への不安が強い方は、アフターフォローがしっかりしたクリニックを探すと安心です。

手術後の性生活

手術後はしばらく傷の安静が必要です。しばらくは傷口がすれないようにフィット感のある下着を着用し、激しい運動は控えましょう。また、生理的な勃起はかまいませんが、マスターベーションや性行為は3週間ほどできません。手術を受けるのであれば、手術後のスケジュールを調整しておきましょう。

真性包茎で保険適用される手術とされない手術の違い

真性包茎の手術にかかる費用は、健康保険の範囲内であれば、実際に支払う金額の1～3割に抑えることが可能です。

保険適用される真性包茎手術

炎症を繰り返す危険性から、真性包茎の治療は基本的に健康保険が適用されます。健康保険が適用されるのは、亀頭を露出させるという機能回復目的に行われる手術のみです。「環状切開法」がこれに該当し、傷跡や見た目に関する処置はできないので手術をしたことが分かりやすい見た目になります。一般的に泌尿器科の病院で受ける手術は、ほとんどが保険適用になります。

保険適用されない真性包茎手術

真性包茎の治療でも、保険が適用されない手術もあります。その違いは審美目的の治療であるという点です。全額自費となるため高額に感じられますが、見た目が恥ずかしいという思いが強いのであれば「亀頭下切除法」など美容外科的な治療が必要です。美容外科クリニックや包茎専門のクリニックでは、真性包茎でも美容面が優先される自費治療が行われます。

真性包茎手術にかかる費用

真性包茎手術ではどのくらいの費用がかかるのか、保険適用・自費診療それぞれの目安をご紹介します。

保険適用の場合

真性包茎は日常生活や性生活に大きな支障をきたす重度の包茎であるため、泌尿器科にて保険適用で手術を受けることができます。受けられる手術法は環状切開術のみで、費用は手術や診察代など諸々を含めて1～2万円程度となります。 ただし、症状などによっては追加費用がかかる場合もあります。事前に医師から治療計画や費用についての説明を受けるようにしましょう。また、仕上がりにこだわった施術は行われないため、見た目についてはあまり期待できません。

自費診療の場合

包茎専門クリニックなどで行う自費での包茎手術は諸々込みで5～8万円程度の費用がかかります。泌尿器科と違い経験豊富な医師が執刀を担当し、仕上がりにこだわって施術するため傷跡が目立ちにくくなりやすいです。 より審美面にこだわるのであれば、追加費用をかけることでクリニック独自の手術法等のオプションを選択することもできますので事前に確認するようにしましょう。

ノーストクリニックの場合

東京ノーストクリニックの環状切開術は60,000円となります。さらに「美容形成術」による美しい見た目をご希望であれば30,000～350,000円の追加費用がかかります。 もちろん当院では包茎治療を専門にする知識・経験豊富な医師が執刀いたしますので、環状切開術のみでも美しい仕上がりを実現可能です。まずは無料カウンセリングにてご相談ください。

まとめ

真性包茎は自分や相手の女性を守るためにも、早めに治しておくことが望まれます。自分で治そうとすると緊急手術になる危険性があるため、医師のもとで安全性の高い包茎手術を受けるほうが安心です。まずはクリニックにコンタクトを取り、手術の流れやアフターフォローに関して自分が納得できるまで確認しましょう。安心できるクリニックで真性包茎を治して気持ちのよい毎日を過ごしましょう。