包茎手術とはどのようなものかをご存じですか?手術と聞くと、やはり気になるのが痛みや治療後の生活です。本記事では、包茎手術を受けることでどんなメリットがあるのか、包茎の種類と手術を受けるタイミングなども解説します。また、痛みの管理やメスで切らない包茎手術、費用の相場についてもご紹介します。包茎手術を受けるために知っておきたい情報を丸ごとチェックしておきましょう。
目次
包茎手術とは?手術を行うメリットとは
包茎手術を行うことでどのような悩みを解決できるのか、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。
清潔になり臭いを軽減できる
包茎を改善すれば包皮内部・亀頭周辺の臭いを軽減できるようになります。 包茎の場合、亀頭はもちろん尿道も包皮によって覆われてしまうため、排泄時の尿や射精時の精子が包皮内に残ってしまいます。そして皮を剥くことができないため汚れを洗い落とすことができず、菌が繁殖したり恥垢が溜まったりして強い悪臭を放ってしまうのです。 包茎手術を行えば亀頭を露出させて清潔を保ちやすくなります。尿や精子が溜まりにくくなって汚れも落としやすくなるため、強い悪臭を放つことはなくなるでしょう。
早漏の改善が期待できる
包茎手術は早漏の改善につながる可能性があります。 包茎は亀頭が常に包皮に覆われているため外部からの刺激に対してとても敏感になりやすいものです。たとえば仮性包茎の場合、通常時は亀頭が皮で覆われていてもセックスのときは剥いて行為をすることが少なくありません。しかし外部の刺激に慣れていない亀頭では膣内の刺激にも敏感ですぐに射精感がこみ上げてしまい、満足する前に射精してしまうことが珍しくありません。 包茎手術をすれば常に亀頭が露出した状態となるため、外部からの刺激を受けやすくなります。その結果、亀頭が刺激に対して強くなり早漏を改善できる可能性が高いのです。
性病リスクを軽減できる
包茎手術を行うことで性病リスクの軽減が期待できます。 意外なことかもしれませんが、包茎の方は性病リスクが高くなります。亀頭が包皮で覆われているため内部が不衛生になり菌が繁殖しやすいことや炎症を起こしやすいため、性病への耐性が低くなってしまっているのです。 包茎手術を行えばペニスの衛生状態が保たれやすくなり、炎症も起きにくくなるため性病リスクも低減させることができます。 性病はご自身だけではなくパートナーに感染させてしまうリスクもあります。大切なパートナーを守るためにもぜひ包茎の改善を検討しましょう。
コンプレックスを改善できる
包茎を改善することでペニスの見た目に悩むことがなくなります。 包茎であることにコンプレックスを感じている男性は少なくありません。不衛生で臭いがきつくなってしまったり、蒸れてかゆくなったりといった日常の悩みもあることでしょう。女性からの印象に悩み、性行為時にペニスを見られたくないと思う方もいます。また、銭湯などで他の男性と自分のペニスを比べてしまい、落ち込んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。 機能面だけでなく、見た目が幼い・カッコ悪い・恥ずかしいなど、そういう審美的な悩みを包茎手術で改善することができます。
包茎を放置するリスクと治療するメリット
包茎は衛生面や性行為時にさまざまな問題を引き起こす可能性があります。包茎を放置することで起きるリスクやデメリットについて解説します。
不衛生な状態になりやすい
包茎を放置すると不衛生な状態になり悪臭を放ちやすくなります。 包茎は亀頭を覆う包皮が邪魔をして尿残りや精子残りが起きて汚れが溜まります。また、包皮で密閉された状態となっているため蒸れやすく菌も繁殖しやすく、カリの部分に溜まっていくことでしょう。そのような不衛生な状態が続けば、当然のように悪臭を放つようになってしまうのです。 臭いを抑えるためには入浴時にしっかり洗浄すれば良いのですが、真性包茎は皮を剥けませんし、カントン包茎では皮を剥くことが困難です。そのためしっかり洗うことができません。仮性包茎でも尿残りは起きますし蒸れやすいため、洗浄するまでは不衛生になって悪臭を放ちやすくなります。
性病リスクが高まる
包茎だと亀頭が露出した状態よりも性病リスクが高いことが分かっています。 前述の通り、包茎は汚れが溜まりやすく菌も増殖しやすいためとても不衛生な状態です。そのため炎症が起きやすくなって耐性が下がり、性病にかかる可能性も高まるのです。実際に包茎はHIVの感染リスクが高いとされています。包茎であれば性行為時のコンドーム着用を心がけることはもちろんですが、包茎手術による改善も検討しましょう。
早漏になりやすい
早漏でお悩みの方は包茎が関係している可能性があります。 ペニスでもっとも性感を得やすい場所は亀頭です。包茎の場合は亀頭が常に包皮で覆われていて外的刺激から守られている状態となります。つまり包茎の方の亀頭は敏感であり、セックスのときには性感を必要以上に得やすくなってしまい早漏傾向になる可能性が高いのです。もちろん個人差はありますが、早漏でお悩みならば包茎手術を検討してみてください。
コンドームが外れやすい
包茎だとセックス中にコンドームが外れてしまう可能性が高まります。 コンドームは亀頭が露出されている状態で装着することを想定して設計されています。しかし包茎は包皮が余っている状態であり、仮性包茎を除き亀頭が露出されていない状態でコンドームを装着することとなります。余った皮が動いてしまいゴムが徐々にズレていき、行為の途中でコンドームが外れることは意外と多くあります。 セックス中にコンドームが外れてしまう心配をパートナーにかけてしまう前に、包茎手術を検討しましょう。
包茎の種類と手術が必要なケース
包茎には3つの種類があり、それぞれの特徴や原因から「仮性包茎」「真性包茎」「カントン包茎」に分類できます。
仮性包茎
仮性包茎は通常の状態だと亀頭が包皮で覆われていますが、勃起のときや手で包皮を下ろせば簡単に亀頭を出せる包茎です。包皮をむいて亀頭を露出しても痛みや抵抗はなく、徐々に皮をかぶった状態に戻ります。 仮性包茎の原因は、包皮が余っていることや包皮が亀頭に引っかからないことです。包茎男性のほとんどが仮性包茎といわれていて、ほかの包茎と比べて生活で支障を感じることはそれほどありません。 普段から亀頭が皮に覆われているため刺激に敏感で、性行為の際には早漏の傾向があります。ほかの包茎より感染のリスクは低いものの、余った皮の部分に垢が溜まると悪臭を発生させたり、亀頭包皮炎を起こしやすくなったりもします。 仮性包茎は必ずしも治療する必要はありませんが、炎症を繰り返すようであれば手術が必要です。また、見た目や臭いが気になって手術を希望される方もいます。
真性包茎
真性包茎は常に亀頭が包皮で覆われていて、勃起しても手を使っても亀頭を出せない包茎です。 真性包茎の原因は、亀頭を出す包皮の口がとても狭くなっているために亀頭が抜け出て来られないことや、亀頭と包皮がくっついてしまっていることが挙げられます。 真性包茎は清潔な状態を保ちにくいために性病や亀頭包皮炎だけでなく、膀胱炎や尿道炎になるリスクも高くなります。性行為にも支障があり、機能的な役割を果たすためにも手術が必要です。
カントン包茎
通常時であれば亀頭を出せるのに、勃起したときに亀頭を出そうとすると痛みが生じる包茎です。無理やり亀頭を出すと亀頭の根本が締め付けられて元に戻せなくなることがあります。 カントン包茎の原因は真性包茎と同じで包皮の口が狭いことです。不衛生で炎症を起こしやすく、勃起しても痛みのために思うように射精ができないという悩みが多く聞かれます。 露出した亀頭が元に戻せなくなって痛みや腫れが強くなる場合には、皮の締め付けを解除する緊急手術が必要です。
包茎を治療するタイミング
人それぞれに包茎の事情があるので一概には言えませんが、基本的に思春期までは様子を見ることがおすすめです。 赤ちゃんの頃にはほとんどの男性が皮をかぶっている真性包茎の状態ですが、ペニスが成長する過程で自然と皮がむけて亀頭が出てくることがあります。 しかし、成人した男性はペニスの成長も止まるので包茎が自然に治ることはまずありません。また、炎症を繰り返すような真性包茎やカントン包茎の場合は早期の対応が望まれますし、見た目がコンプレックスなのですぐに治したいという方も少なくありません。 若者や思春期の悩みだと思われがちですが高齢になっても、炎症を起こすリスクなどは付きまとってきます。また、病気などで介護される立場になったときに炎症や臭いの心配をしている方も多いです。 成人していて何らかの悩みがすでに生じているのであれば、今後トラブルを回避するためにも包茎手術を早めに受けておいた方が良いでしょう。
包茎手術の痛みや傷の管理について
ペニスは身体の中でも非常に敏感なところです。やはり手術となると、痛みや傷が心配という方はとても多くいます。そのため、包茎手術では痛みや傷の管理はとても重要視されています。
痛みについて
手術に使用する麻酔はクリニックによって異なりますが、局所麻酔が効いているため手術をしている間は、痛みをほとんど感じません。それでも気になるのであれば、静脈麻酔や表面麻酔なども併用して、より楽に手術を受けることが可能です。 麻酔が切れてから痛みが出てきますが、痛み止めを内服すればそれほど気にせず過ごせます。患部が安静にできていれば数日後には落ち着いてくるでしょう。
包茎手術後のアフターフォロー
包茎手術後のアフターフォローの体制はクリニックによってさまざまです。また、内服や消毒の方法も病院によって多少の違いがあります。それぞれのクリニックで対応してくれる時間や追加費用の有無なども事前に確認しておくといいでしょう。 基本的には手術後に必要な物品は手術の際に渡してもらえます。スタッフからの説明をしっかり聞いておけば、家でも安心して過ごせます。
包茎手術の種類と切らない方法について
包茎手術の直後は生活の中で不便に感じることがありますが、その後の女性との関わりやコンプレックスがなくなるというメリットを考えると手術をしてよかったと思えるはずです。しかし、デリケートな部分の手術には痛みや失敗などに対する不安も大きいものです。各包茎手術のアプローチ方法やリスクについても知ってから手術方法を選びましょう。
一般的な「環状切開法」
もっとも一般的な包茎手術で、包皮が狭くなっている・余っている範囲を切り取って亀頭を露出させるシンプルな方法です。包皮で隠れているピンクの皮と外側の茶色い皮を縫い合わせるため、ちょうど真ん中あたりでツートンカラーになります。 包茎を治す目的が最優先され、手術したことが他人にバレやすいのが難点です。できるだけ安い費用で真性包茎やカントン包茎を治したい方に向いています。
高い技術が必要な「亀頭下環状切開法」
亀頭の下で環状切開して縫い合わせる方法で、腫れなどのリスクが少なく、手術の跡が分かりにくい方法です。 機能的かつ自然な仕上がりで、どのタイプの包茎でも手術できますが、包茎手術に関する知識や手術の経験の高さが仕上がりに影響します。手術後の仕上がりをできるだけ綺麗にしたい方は、経験豊富な医師に依頼をしましょう。
腫れやすいバックカット(陰茎根部切開)法
ペニスの根本で余った皮を切り、手術痕が陰毛で隠れて目立ちにくくする手術方法です。根元の皮膚は亀頭部の皮膚とは異なり、腫れが強く出やすくケロイドになりやすいリスクがあります。1ヶ月ほど腫れが続き、傷跡が目立つことも少なくありません。
背面切開法
包茎の原因となる狭い包皮口を改善する手術で、子どもの包茎治療としても行います。今後ペニスが成長したときに皮が足りなくなるのを防ぐために皮を切除しない方法です。根本的に包茎を治療するわけではないため、一時的な緩和処置と考えましょう。
切らない手術
メスを使わずに包茎を治す手術には、「糸と針を使う手術」と「ヒアルロン酸を注入する手術」があります。どちらも仮性包茎のみ治療可能で、手術時間が30分程度と短く、痛みや腫れがほとんどないのが特徴です。 糸と針の手術は余った皮を根元で固定するだけの簡易的な手術です。根元で皮が不自然にならないように丁寧に処理するテクニックが必要です。手術で切るのが怖いという方が希望されますが、糸が切れると元に戻る不安感からセックスを思い切り楽しめないという方もいます。
包茎手術の失敗例
包茎手術を受けて失敗したと感じるのは、手術後のペニスの見た目や機能に問題が生じるケースです。しかし、ペニスに関する解剖学の知識や包茎手術の経験が執刀医にあれば回避できます。
傷跡・ケロイド
ペニスには皮下組織が少ない皮があり、その位置を意識して手術することで腫れなどを抑えた手術が可能です。手術後はできるだけ安静にしていると痕も残りにくくなります。しかし、皮下組織がない部分は皮膚が伸びないため、勃起すると縫った部分に負担がかかります。 亀頭直下やバックカットの手術は皮膚の突っ張りからケロイドになりやすく、縫い合わせには高い技術と適切な傷の管理が必要です。
包茎手術の相場はどのくらい?保険適用はされる?
包茎手術はクリニックによって費用の幅が大きい治療になります。保険適用される場合と自費の場合とでも支払う額に差が出ますので、複数のクリニックでカウンセリングを受けて提案してもらいましょう。
包茎手術にかかる費用の相場
一般泌尿器科で受ける環状切開法の手術なら、総額で5~10万円程度が費用の相場です。クリニックによっては10万円を超えることがありますが、保険が適用されれば診察料や薬代など含めて自分で支払う額は4~8万円程度です。 見た目を綺麗に仕上げるための手術が希望であれば、泌尿器科専門医のクリニックでは20~30万が相場です。美容外科や包茎クリニックだと40~60万円程度の手術費に加えて、診察代や麻酔代などのオプションによって数百万まで変動します。使用する糸によっても費用を細かく設定していることもあります。 費用は手術費だけでなく、通院にかかる費用や手術のオプションでも追加費用が発生することがあるので事前の確認が大切です。
保険適用・適用外になるケース
仮性包茎の場合は、健康保険は適用されません。そのため全額自分で支払う自由診療になります。 真性包茎やカントン包茎は生活に支障があり健康を害するリスクがあるため、泌尿器科で治療を受けられる場合があります。その場合保険適用となり料金負担は軽くなりますが、治療目的のため単純な手術なので見た目への配慮はなく、傷跡が残ってしまう可能性が高いでしょう。 美容医療クリニックや包茎専門クリニックでの手術は、見た目にも配慮した治療が可能になる代わりに、真性包茎やカントン包茎であっても基本的に保険適用はされずにすべて自己負担となります。
信頼できる医師や病院の選び方
包茎手術をする医師の専門性
包茎手術で後遺症などの失敗を起こさないためには、男性器の解剖学や機能的な部分での深い知識が必要です。包茎手術の知識が豊富で専門的な治療が行える泌尿科など専門医は、包茎の状態に適した安全性の高い手術が提案でき、見た目にも美しい仕上がりが期待できます。 また形成外科の医師は繊細で高い縫合技術によって傷跡が目立ちにくい手術が可能です。手術を行う件数が多いと、より自然に見える工夫や技術を持っています。
入院や通院、手術後の経過もチェック
費用を単純に比較するよりも、どのような方法で手術を行うのか術後のケアはどうなっているのかをしっかり確認しておくことです。入院する必要があるのか、通院でいいのか、術後のアフターケアがどの程度整えられているのかも大切です。
費用の相場から適正か
単純な包茎手術は安くても、綺麗に仕上げる手術になるとどうしても値段は高くなります。手術だけでなく、診察料や薬代など合わせた追加費用が発生することがあり、治療にかかる全体的な費用はカウンセリングを受けないと分からない部分も多いでしょう。 相場よりもあまりに安い場合や高すぎる場合には、その理由が納得できるまで値段の根拠となる部分をしっかりと説明してもらいましょう。
安心できる雰囲気
包茎手術を行う美容クリニックの中には不安にさせて、次々とオプションをつけて高額な治療費になるケースもあります。具体的な手術の方法や治療の限界、リスクに対する補償などしっかりと説明をしてくれるかどうかは重要です。 即決を勧めてくる、断りにくい雰囲気やしつこい勧誘も含め、包茎手術以外に亀頭増大など不要な処置も追加してくるようであれば要注意です。その場で判断せずに、ほかのクリニックと比較して決めましょう。
まとめ
包茎手術は手術とその後の生活への不安を抱く方も多いでしょう。その気持ちをしっかりと汲み取ってくれるクリニックが安心です。とくに自分が何に不安を感じているのか分かれば、不安な部分を重点的に質問してみましょう。